日正丸部屋で風呂に入る準備をしているとクオーターマスター(総舵手)が部屋にやってきて、おい次席さん、イタリヤ人が何かレディオ、オペレーターに会いたいと言ってるようだぞ! との事、タラップまで出ると若いイタリア人の男性が二人立っていた。一人の男性が葉書のようなものを差し出してきた、葉書を見ると、なんとアマチュア無線のQSLカードだ、私もアマチュア無線をやっている旨を告げるとニコニコして握手してきた、レディオルーム(無線室)を見たいと言う。通信長に話すと、君が案内してやれ、、との事で無線室でコーヒーを入れて色々と案内をした、同じ無線家でなにかと話が通じる。日本船が停泊していたので来たと言うが、他国の船に比べ日本船の無線設備はすごい、と感心していた。いずれアマチュア無線の電波での再会を約束して1時間半ほどいて帰って行った。ラベンナでは鉄板をコイル状に巻いた鋼材を陸揚げした。次の揚げ地のキオジアの港の水深が浅い為、こちらで積み荷を少し降ろして船のドラフト(喫水)を浅くするわけだ。翌日の昼前に荷役が終わり出港した、、、

タグボートワッチ(当直)中にイタリアのトリエステ(Trieste)の海岸局が本船を呼んできた、キオッジア(Chioggia)では翌朝08:30パイロットオンボードで着岸予定、との事で今夜は沖にアンカーする事になった。キオッジア港外にアンカーを下し陸を見ると多分ベネッチア(ベニス)の灯りだろうか、綺麗だねー、、停泊中には勿論ベネッチア観光に出かけようと思っている。翌朝08:30パイロットが乗船し、本船はアンカーを巻きあげゆっくりと動き始めた。港内に入り、ストップエンジン、エンジンが止まり艫(船尾)からの太いロープをタグボート(写真)が引っ張っている、本船は僅かずつ動き岸壁に近づいている、、しかーしだ! ここでとんでもないアクシデントがおこった、、、