hamさんのひとり言。

昔の話、今の話、自由に綴る波乱万丈の我が人生。

カテゴリ: 古い航海日誌 日正丸

新年日正丸をドッグで休暇下船し郷里には帰らずに母校へ寄り2か月、研究室の手伝いに明け暮れた。12月の下旬に会社からの電話で1月の中旬頃、清峰丸に乗船予定との事、本船は北米航路の材木専用船だ、冬の一番時化る時の北米航路は大変だ。14か月ぶりに田舎に帰ったが日本で正月を迎えるのは5年ぶりになる。1年前の正月は日正丸でカリブ海、その前は佐賀関丸でニューカレドニア、その前は瑞陽丸で時化の北太平洋、その前は日永丸でフィリピンで正月を迎えた。久しぶりにのんびりとした正月を迎えたね、、しかし1週間もしたら今度は退屈になってきた。そして会社から正式に乗船命令の電報が来た「19ヒ、シモノセキニテ、セイホウ〇ゼイセンネガウ」センインカ 今回は5月に大事な用事があるため4月には下船させていただくことになっており清峰丸は2航海の乗船だろう。正月が終わり母校により1週間ほど過ごし、大阪の婚約者のところに寄り下関に向かった、、、
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約11か月乗船した日正丸を尾道の向島ドッグで休暇下船、3か月くらいは休めるだろうで、久しぶりに今年の正月は日本でむかえられそうだ。特別にやることもないし田舎へ帰る前に母校へ寄ってみるか、途中の大阪により婚約者と3日ほど過ごし母校へ、、、

研究室へ行くと先生が待ってましたとばかりに、おー、待ってたよ、おまえ研究室を手伝ってくれよ、海洋訓練もあるし、まー乗船命令がきたら2週間くらいは田舎に帰って来いよ!とこうだ。内心、まずい時に休暇下船したな、しかーしだ!今回は学生ではなく一応教官での参加だ。まーいいか!

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今回は教官とは言え学生たちと一緒に行動していると、数年前まで何回も経験した海洋訓練のことを思い出す。

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06:00朝の総員起こしから始まり、体操、甲板掃除(部屋、廊下、便所の掃除)少しでも手を抜くと、やり直し!とやられる、遅れると、腕立て伏せ30回!とやられる、朝食が終わり08:00から課業が始まり、夜の10:00の消灯まで分単位でしぼられる。

カッタ―訓練
特にカッター訓練は過酷だ、手にできたマメがつぶれ 櫂たてー!の合図で櫂を立てると海水が落ちてきて、潰れた手のマメに海水があたる、、ヒェー!!尻からも血が出て体練服が血で赤くなる。夜になり風呂に入るとシミて飛び上がる痛さだ、、、 最終日の前日は4艇で油壷から横須賀教育隊までカッター競争だが1時間は死ぬ思いを経験する。

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最終日は教育隊指令、教官、隊員などの前で軍艦マーチに合わせて分列行進を行う、受閲部隊指揮官〇〇〇〇以下〇〇名、、、、、!(写真先頭は指揮を執るhamさん)

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学生を代表して指令より終了証を頂くhamさん、若かったねー、、、こうして4日間の厳しい訓練が終わる。
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日正汽船 019
京都府宮津市の日本冶金での荷役作業は終わった、停泊中に天橋立見物などに出かけ有意義な3日間だったな。山陰沖から関門海峡を通り瀬戸内海へ、、一年前の11月26日大分県の佐賀関で本船、貨物船 日正丸/JMVY(写真) 1万2千トンに乗船し約11ヶ月ちかくになる、千葉県の君津市の新日鉄の君津製鉄所で鋼材を積みパナマ運河を通り大西洋へ、カリブ海で正月を迎えイタリヤ、アメリカ、メキシコ、シンガポール、インドネシア、パプアニューギニア、ニューカレドニアなどを回ってきた。本船では色々な経験もした、ヨーロッパ大陸とアフリカ大陸を左右に見ながら通ったジブラルタル海峡、イタリヤ、ベニスでの観光、フロリダのタンパ、メキシコのタンピコ観光シンガポールでの居酒屋、インドネシアの田舎町での戦争がもたらした日本人2世との出会い、南の島ブーゲンビル島での魚釣り、ニューカレドニア、ヌーメアでのバーべキュウ、太平洋での台風との遭遇、南半球での南十字星、など等思い出せばきりが無い、、、

向島ドッグ瀬戸内海の綺麗な景色を眺めていると色々な事が思い出される、入港した色々な港でそれぞれ思い出がある、午後には広島県尾道市の向かいにある日立造船向島工場沖に到着しタグボートに曳かれてドッグに入渠した、ドライドッグに入り直ぐに海水が排水され大きな本船が船台の上に座った。喫水線から船底まで藻が付いたり、船体もペンキが剥がれたり錆びたり、悪いが、汚ねー船だなー、、1年近く荒海を航海してきた証だろう。ここ向島工場(写真)は以前に少し在籍した事の有る会社でも来たことがある。坂の多い尾道市は好きな町のひとつだ、又是非訪れて見たい町だな、今は尾道と向島は立派な橋で結ばれているが当時は橋が無く渡船で渡った、もっとも直ぐ目の前なので数分で着いてしまう、、色々と思い出を残してくれた日正丸だが近いうちに海外に売船になると聞いている。交代の次席通信士と交代引継ぎをして翌日おもいで多い日正丸を後にした、、、  
有難う、日正丸、、Bon Voyage
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天橋立九州西岸、対馬海峡、山陰沖、そして若狭湾から京都の宮津港に入港した。約1か月ぶりに日本に帰ってきた、この辺一帯は国定公園で海岸線が綺麗だが、沖から眺める景色も格別ですね。入港して直ぐに官憲、代理店が乗船し、いつもの如く慌ただしく入港手続きだ。こちらで数名の乗組員が交代する、私は尾道の向島ドックで休暇下船だ。通信長は奥さまが訪船しておられるし、翌日天気も良いし入港前より考えていた天の橋立へ行く事にした。途中までタクシーで行き、後は普段の運動不足の事も考え、ひたすら歩くことにした。道路の両側には土産物店が並んでいるが一軒に入ってみた、色々な貝殻が売っているが値段をよく見ると、なにー!目を疑う、、、ニューカレドニアの土産店で安く買える貝殻が10倍近くの値段だ、、海岸に行けばいくらでも落ちているような貝殻が1,000円前後もする。乗組員が家に帰って花器にすると言って持ち帰った50-60センチも有る大きな貝の片方、(正式な名前は解らないがみんなシャコ貝と言っていたが)ここの土産店で15,000円で売っている。インドネシアの田舎にでも行けば日本のタバコ10個位と交換してくれる、判っていれば沢山の貝殻を拾って、こちらの土産店に引き取ってもらえばいい稼ぎになるなー、、、丘の上に登り話のたねに自分の股から天橋立を覗いて見た、周りを見渡すと他にも妙な格好をして逆さに股から眺めている人が数人いた(写真)、何処に行くあても無く市内を歩きまわり、夕方に棒のようになった足を引きずりながら船に戻った、、疲れたー!

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日正丸 001
夜当直が終り風呂に入り、久し振りに湯船にどっぷり浸かり(大体はシャワーだ)あー、良い気持ち! 自慢の海水風呂だ、風呂を出て腰にバスタオルを巻きつけてボートデッキへ出た、誰も見ている人はいないわね 見ているのは満天の星だけだネ、 シャーッ と言う船が波を切って進む音、そしてエンジンの低音の快い響き、どちらを向いても満天の星空だ、南十字星が綺麗に輝いている、左舷にニューアイルランド島の灯台の灯りが見えている、、 
♪ さーらーば ラバウルよー 又来るまーでーよー、、♪ いつも口ずさむ曲だ、この海域ではいつもワッチが終わってからデッキで黙とうするんだが、裸にバスタオル1枚じゃちょっとまずいだろう、、
赤道を通過してまもなく熱帯低気圧が発生している、キャプテンの判断で本船はコースを北東方向に変えて北上を続け、小笠原諸島の南、南硫黄島の横を通った(写真)、海抜916メーター有ると言うが岩ばかりの無人島だ、通常の航海ではまず南硫黄島を見る事は無いだろう。今航日本で休暇下船の予定だ、そろそろ下船準備を始めるかね、、、
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日正汽船 019
そろそろ停泊も退屈してきた、8日間でニッケル鉱を満載し昼食後に出港スタンバイがかかった。出港と言っても何もない、沖に停泊している本船はブリッジのキャプテン(船長)の合図で船首のアンカー(錨)がガラガラと音をたてて巻き上げられる、煙突から黒い煙が出てエンジンが動き始めた。デッドスローアヘッド(前進微速)、本船はゆっくりと動き始めた、30分ほどでサンゴ礁を抜けて外洋に出てフルアヘッド(前進全速)、日本に向かった。ニューカレドニアを出て、バヌアツ共和国のニューへブリデス諸島の西、ガダルカナル島などが有る、ソロモン諸島の西、そしてパプアニューギニアのブーゲンビル島の西、ラバウルのあるニューブリテン島の東を通りここからコースは日本に向けられる。この海域はそんなに大きく時化る事は無い、日本との時差も2時間だし、日本との通信も楽だし、この航路が好きだね、、、夜デッキに出てみると満天の星に南十字星が輝いている、明日にはソロモン諸島沖を通るだろう、一杯飲んで早めに寝るかねー、、、
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釣り古い本船は荷役作業も時間がかかる、早くて1週間はかかるが、天候などにより10日くらいかかる事もある。午前中は無線室の掃除、整理、機器の点検整備、FAX受信などが主で、あとはお茶タイムだ。10時過ぎになるとキャプテンが決まって、どうですか! と言って無線室に入ってくる、一緒にお茶だな。昼食を食べて部屋に帰り少し読書、日記などを書いていると眠くなる、ちょっと昼寝タイムだ、目が覚めて無線室でFAX受信、などをしているとボートデッキでゴルフの練習をしていたキャプテンと通信長がやって来て又お茶タイム、お茶が終わるとデッキに出て裸で日光浴をしたりデッキで釣りをする、これがけっこう釣れるんだ、5時に夕食を食べてからは麻雀をするか、又デッキで釣りだ、、、

救命艇日曜日チョフサー(1等航海士)が救命艇(写真)の試験を兼ねて沖釣りに出かけると言うので仲間に入れてもらい7人でオニギリを持って釣りに出かけた。リーフの中なので波も無く最高だ、水は澄んで海底が見え、たくさん泳いでいる魚が手に取るように見える、魚の前に糸を垂らすがなかなか食いついてくれない、海水が澄んでいて見えるのが釣れない原因のようだ。ポイントを何度か移動してちょっと深いところへ移動すると、今度は入れ食い状態、ヒラアジ、クロダイ、などなど熱帯魚のように綺麗な魚もたくさん釣れたが食べる気がしない、午後の2時過ぎに本船に戻ったが大漁だ、司厨長に頼んで刺身にさばいてもらい、夕食時29名の乗組員の胃の中へ、、、旨かったー!
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ヌーメアの町に上陸しバーベキューを楽しみ、デパートで買い物もしたし夕方通船で沖に停泊している本船に戻った。今航の積地はニューカレドニア西岸の北部にあるテオディだ、夜中にヌーメアを出港し、明け方、明るくなるのを待って外洋からパッセーシを通りサンゴ礁の中に入り積地のテオディの沖合に到着しアンカーを降ろした。本船は荷役設備が古いため、荷役作業に1週間から10日くらいかかる予定だ。当社にはニューカレドニア航路のニッケル鉱専用船が本船を含め3隻あるが他の2隻はクレーンを搭載した最新鋭の専用船で本船よりも倍くらい大きい船だが荷役作業は4~5日で終了するが本船はウインチのため時間がかかる。アンカーを降ろすと間もなく陸からボートで荷役の関係者、シッパーなどが乗船し荷役の打ち合わせが始まった。ニッケル鉱を積んだ艀をタグボートが曳いて艀を本船に横づけし荷役が始まった。
退屈な日が始まるねー!
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日正丸 005
通船で20分ほどでヌーメアの岸壁に着岸した、他に大型の外航船が1隻、荷役作業をしている。当社のヌーメア駐在員が手配してくれたマイクロバスで海水浴場の端に到着した。海岸線には欧州風の高級ホテルが建ち並び、海岸ではビキニ姿の観光客が泳いでいる、ハワイのワイキキ海岸のように観光客がたくさん泳いでいるのと違い、のんびりと高級リゾート地の雰囲気だ、そんな中で我々は、、、、ちょっと場違いな一団に見えるがね、、駐在員が手配してくれた食材でバーベキュウだ、心地よい海風に吹かれて、綺麗な女性のビキニ姿を眺めてのビール、これは最高だわ!!  酔い覚ましに海水パンツに着替えて泳ぐ人、私はビールを飲んで景色を眺めたほうがいい、、、

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海岸でのバーベキューを楽しみ駐在員が手配してくれたバスでヌーメア観光に出かけた。フランス領ニューカレドニアの首都であり最大都市のヌーメアはニューカレドニア本島南部の半島に位置する。南太平洋で最も都市化、産業化された街のひとつと言われている。メラネシアやポリネシアの多くの島からの出稼ぎや移民も多い。首都といっても小さな町だ、車で数十分も走れば端に行ってしまう。バスで高台に行ってみると、それは素晴らしい景色で圧倒される(写真)、何と言っても海の色がちがうね、高台には錆びついた旧日本軍が設置した高射砲が残っている。白い建物にアンテナ群が見える、あれは何だ? 近くに行ってみると毎航通信する Noumea Radio/FJP だ、、、

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市内の中心部に戻り帰りの通船まで時間があるのでデパートに行ってみた、酒類は船で注文しているので特別に買うものはないんだが、フランスのシャネルの化粧品の香水などを数本買ってみたが特別にあげる人もいないんだがね、公園のベンチで掛けているとポリネシア系の現地人の女性2人が寄ってきて、ヤポン? ときた、シー! と言うと、カメラで写真を撮ってやるか? と言っているようだが、フランス語でチンプンカン、一枚撮ってもらい、ついでに二人の写真を撮ってあげると大そう喜んでいた、、
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日本を出て12日目に南半球の天国に一番近い島、フランス領ニューカレドニアの首都 ヌーメアに入港した。以前に佐賀関丸に2回乗船しニューカレドニアには6~7回は来ているが約1年ぶりのニューカレドニアだ。日本の四国くらいの大きさでフランス領の島だ、従って言葉はフランス語を使っている。首都のヌーメアで入港手続きをして積地に向かう、サンゴ礁のパッセージを通りヌーメアの港に入ってきた、古い写真で写りが悪いが入港前の灯台だが真っ青な海に白い灯台が映える、、、南半球は日本と反対で冬が終わりこれから春だが年中夏のようなもんですね、、、

日正丸 009
今航は積み地に向け夜の出港となるため、当直者を残して上陸し海水浴場でバーべキューをする事になった。上陸するため通船から本船を眺めると、ペンキが剥がれ気の毒な感じだが荒海を1年近く航海してきた証だろう(写真)、今航日本に帰りドッグに入渠予定だ、、
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